前回の丁野藝で述べたように、自然農法の玄米と味噌を食べるようになって、格段に体質・体調が良くなりました。日々のコンディションが向上するという事は、当然、練習効率アップにもなる訳ですから、ダンスの上達に直結します。食事を変えてから明らかに体格が変化しました。
もちろん皆さんにもそういった食生活をお薦めしたいとは思うのですが、ここで注意してほしいのは『自然農法』と『有機農法』の違いを知る事です。詳しい事はリンク先のウィキペディアで分かりますが、自然農法の場合肥料さえもやらない事が多いのです。
農薬の恐ろしさ、無意味さについては多くの人の知る所だと思います。しかし有機農法についての知識は、未だ一般的でないように思います。農薬、化学肥料を使わないこの農法が、実は最も危険かもしれないという事をご存知でしょうか。
一般的に有機肥料というと、家畜糞から作られた堆肥が用いられる事が多いようですが、ここに問題が生じるのです。家畜が食べていた餌に農薬が含まれていた場合、排出された糞は、言ってみれば高濃度に圧縮された農薬団子みたいなもの。それから作られる有機肥料の農薬残留濃度は、寧ろ化学肥料より高くなるという本末転倒な結果になります。
勿論全ての有機農法がこのパターンに嵌っている訳ではない事は、農法の名誉の為に強調しておきます。要は肥料の元となる家畜の餌まで遡って、厳密に調査をする事が難しい、という事です。
上述のような事実をおぼろげながらに知りつつも、ではどの食品が安全で何がそうでないのか、いちいち判断するのが面倒臭くて適当に食べている、というのが多くの消費者のスタンスではないでしょうか。一つ一つは小さな面倒、無関心ですが、その積み重ねによって僕達の体は重大に蝕まれているのです。
有機肥料の問題は、(後述の参考資料によって)実は僕は20年近く前に耳にした情報であったのですが、今日まで劇的なほどの進歩、改善があるようには思えません。その原因は、僕たち1人1人が、そんな小さな面倒から逃げてきた集積にあるのではないでしょうか。
前回の丁野藝や、このテキストの冒頭でも述べたように、米と味噌を変えただけ、毎日3食も食べなくても良い、そんなに高い食品にこだわる必要もない、たったそれだけの面倒をかけるだけでも、身体とダンスは変わります。やってみれば、それほど面倒でもないし、それほどお金もかかりません。
因みに、20年前、僕に有機農法の落とし穴について教えてくれた文献とは、『美味しんぼ』です。なんとも侮れない漫画ですね。
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第4話『玄米VS白米・前編、後編』。ある種ブームのようになっていた自然食、有機農法に警鐘を鳴らすエピソード。「いつも自然なやり方をよしとする山岡さんらしくないわね。」というセリフが象徴するように、かたちだけ、ファッションだけになってしまってはいけない、という事ですね。こうした論理的客観的思考も、この漫画から学びました。
※このエントリーは、旧ウェブサイト内『丁野藝』ページに掲載していた文章を、改訂・転載したものです。投稿の公開日は、過去に記事をアップした日に設定しております。
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