20040615


040609_代償
040610_代償2
040611_代償3


何故こんな事になってしまったのか。

本来なら今夜僕は存分に癒されリフレッシュし、明日への活力を充電していた筈である。
これは夢か、夢なのか。夢であってくれ。
いや、この痛みは夢じゃない。
こんなに痛い夢は無い。

そんな事を考えながらしかし僕の体はどんどんと重くなっていった。カーペットにこぼれた熱湯や麺を急いで片付ける後輩達。そんな彼らを手伝うでもなく、てゆーか元々自分でこぼしたにもかかわらず、床に大の字に倒れ込みますます片付けの邪魔になる僕。

なんとハタ迷惑な先輩か。

最早倒れこんだその場から動けなくなっていたのである。いや、動こうとしなかった、と言った方が適切か。半ば逃避的に自暴自棄的に眠りに落ちていった。火傷の手当てをしようともせずに。

微かに残った意識で声を聞いていた。
僕を心配してくれる後輩たちの声だった。

「ちょーのさん、大丈夫ですか?」

こんな僕の事を、心配してくれるのか・・・。

「足冷やしてください。」

こんな馬鹿な男を、まだ思い遣ってくれるのか・・・。

「起きてください。」

俺はお前たちが思ってるほど大した男じゃない。
先輩としてえらそうに出来る器でもない。
だがこんな俺をまだ気遣い先輩と呼んでくれるのか・・・。
ああ、お前たち・・・。
俺はなんて良い後輩を持ったn


「かくしてください。」


あ?

・・・そうだ。

僕は熱湯にまみれたジーンズを脱ぎ捨て、只今パンツ丸出し大開脚状態で横たわっているのだった。
しかも僕がにんにくラーメンをぶちまけ
尚且つパンツ一枚で大の字に寝るという惨劇の舞台となった
その部屋の主である後輩とは・・・


女の子だったのである。






Aヤノちゃん、ゴメンね。


>代償5につづく



※このエントリーは、旧ウェブサイト内『丁野論』ページに掲載していた文章を、改訂・転載したものです。投稿の公開日は、過去に記事をアップした日に設定しております。

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