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結局、酔いつぶれて横になったものの熟睡出来ぬまま目を覚ますこととなった。時刻は午前9時頃だったか。患部には後輩達が巻いてくれた氷袋だったものが、溶けてだらりとぶら下がっている。足の痛みは未だ衰えを知らず、ひりひりと僕の神経を刺激し続けていた。
M安先生とY田先生も目を覚ました。部屋には僕達ゲスト3人以外には最早、家主の後輩と友人がもうひとり、二人しか残っていなかった。けだるい空気が部屋に流れている。
祭りは終わった。
一連の狂騒劇から時が経ち落ち着きを取り戻してみるとさて、この痛みの激しさは相当な重症ではないかと不安になってくる。むむむ、昨夜は酔いと自暴自棄により応急処置はおろか靴下も脱がずに放って置いたが、果たして自分の足はどのようになっているのか。
痛みばかりが激しいだけで実際は大した事ないのかもしれない。
事の重大さを認識していなかったのか認めたくなかったのか、兎に角この時の僕は未だ楽観的に構えていた。
まずは患部の様子を見てみよう。
ふと、脱がそうと靴下に目をやり違和感を覚えた。
足の形がなんか変だ。
昨夜熱湯を浴びたその部分が靴下越しに変形しているのがわかる。
俺の足にいったい何が起こっているんだ?
恐る恐る靴下をめくってみる・・・。

キノコが生えてます。
一緒に患部を見たM安先生の血の気が引いていくのが分かる。
当然である。
自分で見ていても気持ちが悪いのだから。
水ぶくれが腫れ上がり、足首周辺は形を変えていた。
大小様々なキノコのようであった。
ここへ来て僕はようやく悟った。
これは笑い事じゃない、と。(遅すぎ)
突然そこはかとない不安感に襲われる僕。
そして後悔、罪悪感、羞恥心、兎に角様々なマイナス思考が心の底から止め処なく湧き上がってくる。
ああ・・・。
ちょっと酔っ払っただけなのに。
ほんのちょっと手を滑らせただけなのに。
今回かかった交通費:¥1,180(往復)
後輩達に奢った飲食費:¥1,600
インスタントにんにくラーメン:¥100
百円の代償:PLICELESS
>代償6へつづく
※このエントリーは、旧ウェブサイト内『丁野論』ページに掲載していた文章を、改訂・転載したものです。投稿の公開日は、過去に記事をアップした日に設定しております。
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