20100203


100127_神々の演戯
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共に『ゴッドファーザー・シリーズ』によって知名度を上げた事、同時代に活躍した同年代の、同じイタリア系である事等の共通点により、何かと比較されるロバート・デ・ニーロとアル・パチーノ。実は僕が好きなのは断然アル・パチーノの方なんです。


↑『ゴッドファーザー』の頃のアル・パチーノ

前述の通り『ゴッドファーザー』によって注目を集めたパチーノは、その年、1972年から75年まで、何と4年連続アカデミー賞にノミネートされるという快挙を成し遂げます。瞬く間に若手演技派俳優のトップに昇り詰めるのです。

一方デ・ニーロもまた『ゴッドファーザーpartⅡ』でその名を轟かせ、その後も大スターとして名作・佳作に出演を重ねます。2人とも、シリーズへの出演以前は無名に近かった事を考えると、まさにシンデレラボーイ。共に名声を得る過程も似通っており、世間がライバルの如く囃したてたくなる気持ちも分かります。

ところが、『ゴッドファーザーpartⅡ』でいきなりアカデミー助演男優賞を受賞したデ・ニーロに比べて、パチーノはノミネートこそすれ一度の受賞も叶いませんでした。徐々に出演作の興行成績も振わなくなり、「アカデミー賞狙いの過剰演技だ」との反感まで買う始末。80年にデ・ニーロが主演男優賞部門で2度目のオスカーを獲得、栄光の頂点を極める頃パチーノは、活動の場を舞台に変えスクリーンから姿を消してしまいます。

哀れアル・パチーノ、どう考えてもデ・ニーロの方がオーバーアクトだと思うのですが運命には抗えず、地道にチャンスを待ち続ける事に。しかしそんな彼だからこそ、悲壮感や哀愁の表現にリアリティが生まれるのです。努力するほどに不条理の渦に飲み込まれていく不器用な男を演じさせたら、彼の右に出る者はいません。あまりに完璧で敗北の臭いがしないデ・ニーロの演技に比べれば、パチーノの演じる役にはブルースが宿っているのです!(力説)

そんなアル・パチーノが、悲願のアカデミー賞を受賞したのは、何と『ゴッドファーザー』から20年を経た92年、『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』という映画でした。



『ゴッドファーザー』の中の名シーン、結婚式でダンスを踊るアル・パチーノ・・・。





奇しくも、『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』もまた、ダンスシーンが印象的な映画でした。





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ダンスシーン!そしてアル・パチーノの演説シーン!思い出すだけで泣けてくる・・・。


※このエントリーは、旧ウェブサイト内『丁野論』ページに掲載していた文章を、改訂・転載したものです。投稿の公開日は、過去に記事をアップした日に設定しております。

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