20100306

ブログでもお知らせした通り、3月1日から2日の15時までレッスンをお休みし、韓国はソウルへと行って参りました。アジアシリーズの1つである競技会に出場する為です。

全てのコンペに於いて等しく、敗北が許されないのは言うまでもありませんが、お休みを頂いてまで出場した競技会とあらば尚のこと。成績が出せなかった時の屈辱感、自責の念は筆舌に尽くしがたいものがあります。

にも拘らず今回不振な成績に終わり、応援して下さったお客さま、送り出してくれたスタッフの皆に会わせる顔がありません。ソウルまで来て一体何をやってるんだと、結果が出た直後は茫然自失としたものでした。

しかし、ここでただ悔やんでいても仕方ありません。次のラウンドに進んだライバル達の踊りをよく見て、自分の踊りに何が足りないのか、勝つ為に何が必要なのかを研究しなければなりません。そして何よりも、負けた悔しさ、恥ずかしさを逃げずに受け止め、二度とこんな思いはしたくないという反骨の意志として、強く心に焼き付けねばなりません。

そういった気持ちもあり、その夜のフェアウェル・パーティーに出てみようと考えました。フェアウェル・パーティーとは、コンペ終了後、出場した選手や審査員、大会を運営した人達が一堂に会し行われる打ち上げパーティーで、国際的な競技会の後によく開催されます。我々選手にとっては、その日の出来栄えについてジャッジに感想を求める事の出来る場であり、海外の審査員に顔を覚えて貰える数少ないチャンスでもあります。

しかし当然の事ながら、成績の良くなかった選手はそんなパーティー出たくありません。早いラウンドで終わってしまった自分の踊りなんかジャッジは覚えていないだろうし、逆に覚えていても悪印象を持たれてそうで嫌な気分です。何より、「成績悪かったくせにタダ酒、タダ飯食いに来やがって」と思われてるんじゃないかという罪悪感に耐え続けなければなりません。(フェアウェル・パーティーは無料である事が多いのです。)

どれだけ、さっさとホテルに帰ってメイクを落とし、ソウル観光と決め込みたかったか。しかしここは臥薪嘗胆(がしんしょうたん)、敢えてフェアウェル・パーティーに出席し、好成績だったライバル達の中に身を置く事を選びました。辛酸を舐め屈辱を噛む道こそ、次につながる自省であり、お休みを下さったお客さまやスタッフへの責任でもあります。

本当は行きたくない自分をそう説き伏せ、重い足を引き摺り、何とかパーティー会場に向かいます。もしもその夜の、自分の運命を知っていたなら、決してそんな思惑は抱かなかったでしょう。まさか、



あ ん な 事 が 起 こ る な ん て ・ ・ ・ 。



→ 邂逅2 に続く



※このエントリーは、旧ウェブサイト内『丁野論』ページに掲載していた文章を、改訂・転載したものです。投稿の公開日は、過去に記事をアップした日に設定しております。

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