20040517

僕が映画の良し悪しを判断する要素、それも僕にとってかなり重要なファクターのひとつとして、映画の「色」がある。
この色というのは作品の雰囲気というかイメージという意味の「色」であって、視覚効果やフィルムの種類だけでなく音響や俳優の演技なんかにも起因してくるものだと考えている。
だから決して海の映画だからブルーと決まっていたりすることはない。
(ま、実際は殆んどそのまんまなんだけれども・・・。)

初めてこの「色」ってモンを意識し始めたのは高校の頃ぐらいだったか、『レオン』を観た後、漠然とではあったがそれまで、そういうものを基準に映画を観ていた自分に気づいたのだ。
それまでに見た良い映画、好きな映画には皆、何らかの色がついている、という共通点がある事に。
その後は前にも増し色を意識して映画を観るようになった。

というわけで紹介。
以下、例によって内容に触れている部分もあるので注意してください。
あとレビューや評論ではなく色という観点から見た私見なので宜しく。


『LEON レオン』・・・の色↓


イタリアンレッドに黒とゴールドが少し、という感じかな・・・。当然これは僕のイメージを100%再現出来ている訳ではないので、このままを受け取らないように。

基本的にこの映画は赤なんだけど、少しくすんでたりゴールドが煌びやかさじゃなく渋さや寂しさを表現していると思ったから。
あとエンディングに流れるスティングの『shapes of my heart』のイメージは断然はくすんだゴールドだ、と思う。
赤や黒は画面の中によく現れるし、ポスターもそうだからこの映画にこの色のイメージを持ってる人は多いと思う。

ゲイリー・オールドマン扮するヤク中刑事の印象もくすんだゴールド。
マチルダ(ナタリー・ポートマン)はすっごく深いブラック。(透き通るような黒、って言えばいいのか・・・。)
レオン(ジャン・レノ)はイタリアンレッドと茶褐色と血の赤の3種類のレッドに、黒を対比させたようなイメージ。

全体的な音響は少し紺色の入った黒、というところか。
因みにイタリアンレッドはちょーのが一番センスを感じる色だ。オシャレで大人っぽい、マルボロやフェラーリの色だ。
だからこの映画が好きってのもある。


『PULP FICTION パルプフィクション』・・・の色↓


カラフルな映画だな、と心から思った。僕の大好きな映画のひとつ。
サントラもカッコいい、未だに聴いてる。
バイオレンスなんで、嫌いな人にはお勧めしませんが。

いろんな色が使われていて、自分の中でもこの色と一言で表せられない。ただこんなにカラフルにしてしまうと(複雑なストーリー構成も含め)、普通はイメージが散漫になって面白くないんだが、そこのまとめ方が凄い。

例えば点描画の一つ一つの色を見せられているような感じ。
それぞれの色は鮮やかで質が高いんだけど、絵が完成するまでどんな風にまとまるのか想像が出来ない。ラストまで観終わって初めて、こんな色だったんだという印象を持つことが出来る。

こんな映画、後にも先にもこれしか知らない。
タランティーノはホント天才だと思う。(現在の彼はどうか知らんが・・・。キルビルもまだ見てないし。)



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サントラも最高!今でもたまに聴いてます。


※このエントリーは、旧ウェブサイト内『丁野論』ページに掲載していた文章を、改訂・転載したものです。投稿の公開日は、過去に記事をアップした日に設定しております。

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