101209_幕末英雄列伝2
101209_幕末英雄列伝3
101025_吉田松陰
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全てはこの男から始まった。
長州の名思想家、吉田松陰です。彼の開いた松下村塾から、桂小五郎、高杉晋作、伊藤博文など数多くの逸材が育ちました。
そしてその塾生たちが土佐に影響を与え、薩摩と手を結び、最終的に日本を動かし明治維新を達成したのです。冒頭の言葉、「全てはこの男から始まった。」とは、決して大げさな表現ではありません。
辞世の句は「身はたとひ 武蔵の野辺に朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂」
何とも情熱的で愛国的な、素晴らしい辞世ではないでしょうか。きっと、数え切れないほど多くの志士の、胸を熱くした事でしょう。
101027_後藤象二郎
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土佐藩士・後藤象二郎。
幕末期、重要人物を結ぶパイプ役として、明治維新への原動力となった人物です。具体的には、龍馬の大政奉還策を前土佐藩主・山内容堂経由で徳川慶喜に進言し、実現に寄与した等の功績が挙げられます。
しかし、同策が龍馬の発案である旨を述べなかった事から、功績を横取りしたという汚名も蒙っています。そもそも後藤の存在感自体が、坂本龍馬という英雄の陰に隠れてしまっている事もあり、全国的には知名度や評価のそれほど高くない人物でもあります。
他にも後藤象二郎は、日本人で初めてルイ・ヴィトンの製品を愛用した事でも知られています。それから100年以上の時を経て、高知出身の実業家がルイ・ヴィトン社の日本進出をコンサルティング、日本におけるルイ・ヴィトン人気の基盤を作り上げる事となります。
歴史の気まぐれが生んだ、奇妙な縁のひとつです。
101028_山内容堂
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前回紹介した後藤象二郎の上司に当たる、土佐藩主・山内容堂です。大政奉還案を将軍・徳川慶喜に建白し、土佐藩が維新の立役者となる事に貢献しました。
しかし実際には、酒好きであった事と、時流に乗ろうと度々意見を変えた態度を、「酔えば勤皇、覚めれば佐幕」と揶揄される事もあったそうです。
そして、土佐勤皇党を弾圧し、武市半平太に切腹を命じた事から、高知でもいまいち人気の高くない人物でもあります。
維新後、山内容堂は武市を殺してしまった事を何度も悔いていたそうです。病床にあった時には「半平太ゆるせ、ゆるせ」とうわ言を言っていたとも伝えられます。
101029_佐久間象山
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その業績の大きさから考えると、それほど知名度の高くない人物ではあります。
しかしこの佐久間象山、その門弟には吉田松陰をはじめ、小林虎三郎や勝海舟、河井継之助、橋本左内、岡見清熙(慶應義塾の前身である蘭学塾を開設した人物)、加藤弘之など、後の日本を担うそうそうたる面々が名を連ねています。当時の日本における洋学・兵学の第一人者であり、幕末の動乱期に多大な影響を与えた思想の巨人でした。
元治元年、京都で暗殺されてしまうのですが、彼を斬殺した河上彦斎が、後に象山の事歴を知って愕然とし、以後暗殺をやめてしまったという逸話があります。
101101_楢崎龍
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おりょう、と呼ばれた龍馬の妻となった女性です。
龍馬にも「まことにおもしろき女」「突飛な女」と評されるほど、当時の女性としては型破りな性格をしていたようです。龍馬は、お龍のそういった部分をこそ可愛がりましたが、龍馬以外の人間には「頑固で気難しい女」と見られ評判は良くありませんでした。
龍馬が護衛役の長府藩士・三吉慎蔵と寺田屋に投宿していたその晩、入浴していたお龍は窓外に多数の捕吏がいる事に気づきます。彼女は裸同然で2階に駆け上がり通報し、龍馬たちは無事に脱出できました。
世に言う『寺田屋事件』で、お龍の機転により龍馬は難を逃れ、後の業績も成し得たのです。
101105_マシュー・ペリー
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「幕末」という時代は紛れもなく、ペリー率いる黒船の来航したその日から始まりました。一瞬にして世の中の流れを変える、歴史的分岐点となった日でした。
マシュー・ペリーは日本に行く前に日本の研究を行い、「日本人は自分たちの事を世界で一番優秀な民族だと思っているようだから、その鼻をへし折るような交渉の仕方が効果的だろう」と結論しました。
実際に、彼の交渉態度は高圧的かつ恫喝的と見られ、「砲艦外交」と呼ばれるそうです。
このエピソードから、2010年11月現在の日本人誰もが、今この時に日本が立たされている外交的窮地を想起する事でしょう。当時の米国の高圧的態度と、現在の某国の横暴外交は、多くの示唆に富んだ興味深い符合を含んでいます。
外圧に対する日本国の弱気な対応もまた、現代とのオーバーラップを感じさせます。
>幕末英雄列伝5につづく
※このエントリーは、旧『ちょーの&のぞみのブログ』に掲載していた文章を、改訂・転載したものです。投稿の公開日は、過去に記事をアップした日に設定しております。
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